マジで今更スタァライトされた人の『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』感想

アタシ再生産

マジで今更だと思われるかもしれないが、アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』を鑑賞した。

率直にめちゃくちゃ面白かったので熱量があるうちに軽く整理してみる。

『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』との出会い

『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』は2018年に放送され全12話のテレビシリーズ。

広義にはブシロードが展開するアニメ・舞台・漫画などからなるメディアミックス全体を指すが、ここではアニメシリーズについてのみ触れる。

2018年放映のアニメ作品を2025年になって今更どのように出会ったかでいうと、今年に入ってから友人とアニメの第一話だけを見て作品のテーマを解剖し結末を予想するという遊びを定期的に行っていて今作もその中で選ばれた作品だった。

しばらくアニメから離れていた自分としては完全に初見で、どんな作品か全然知らなかった。

1話目を半分くらいまで見て

「あー、ミュージカル風『ラブライブ!』みたいな作品かな」

と感じていた。歌劇に青春を燃やす少女たちの群像劇的な。

しかしその印象は、1話目18分あたりで大きく覆った。

1話目を見た印象と当時のテーマ解剖・結末予想

いきなり地下劇場へのエレベーター

 

学園に普段は存在しないエレベーターを見つけ、不思議な地下劇場へと誘われる。

ここまでそういった非日常感を感じない作りだったため、このシーンはかなり面食らった。(あとから調べると当時もそういう反応は多かったようで「意味不明」とか「何これ」みたいな感想は溢れていた模様)

アタシ再生産

そこからあまりにも印象的な『アタシ 再生産』のカットが挟まり、主人公・愛城華恋を中心とした “レヴュー” と呼ばれる舞台少女たちの戦いが始まっていくという話。

一話目を見終えた時に並べていたテーマの解剖と結末予想は以下(全話見た今見返してみても大きく外してはないような気がしていてちょっと嬉しい)

テーマ解剖

  • Revue(歌劇)を見つめ直し(Review)、再生産する物語

レヴュー

  • 歌・ダンス・寸劇が組み合わさったショー
  • 「情熱のレヴュー」では華恋 vs ひかり(華恋優勢、ひかりは情熱を失いかけているということ?)
    • 海外で打ちのめされた?
  • 審判がキリン(高い視座の存在、としてのメタファー?)
    • 華恋はキリンを超えて舞台に飛び入っている(キリンの想定を超える何かを起こしてくれそう)
    • 「わかります…」が「わからない…!」になるのが楽しみだ

東京タワー

  • 華恋とひかりの夢の始まりの場所
  • 高度経済成長の中で建設された東京タワーは建築期間約1年半という、着工から完成までが異例のスピード工事だったらしい。
    • => 「急成長」のメタファーとして華恋ちゃんのポテンシャルを表現している?

結末予想

  • 華恋とひかりのW主演で、悲劇→喜劇(ハッピーエンド)に「再生産」
  • 心が見えず、情熱を失いかけていた光と、2人でスタァを目指したい華恋とのコンビが次々にレヴューで勝ち進んでいく。「ぶつかり、いさかい、すれ違いながらも結ばれていく絆」
    • キャラ毎の心情が見えてきたら、各女神枠の予想もできるかな?(まひるちゃんは嫉妬の女神だと思う)
  • 99回目でW主演だった西條 クロディーヌ・天堂 真矢がラスボスとして登場。最後のレヴューが始まる
  • 圧倒的な実力を前に力及ばずか…という窮地で「いこう、あの舞台へ。輝くスタァに二人で。」
    • ひかりの”再生産”が発火。(東京タワーと対照にエッフェル塔とかビッグベンとかから落ちる演出だと面白い)
    • 一つの頂上ではない、2人が輝くスタァを見出す
    • 『スタァライト』を別れで終わる悲劇→再会で終わる喜劇に再生産し、”最もきらめいたレヴューを見せた” 2人がレヴューを勝ち残る
  • これまでの伝統的なスタァライトを再生産し、新しい時代を作り出した第100回 聖翔祭を演じきって最終回(聖翔祭は3月に行われるので、卒業を控えた3年生は演じず、2年生で最後なのでは)
  • ばななちゃんが撮影した第100回 聖翔祭の写真を見返しながら「懐かしいね」などと会話しつつ、それぞれの進路が仄めかされる
  • 再生産で熱意を取り戻したひかりは再びイギリスへ。いつかくる再会の日に期待しつつそれぞれのスタァへの道を歩み始めて終幕

テーマに沿って再まとめ

  • 既存のRevue(スタァライト)を見つめ直して再生産した各キャラクターが今度は己の歌劇(拡大解釈すると人生。舞台少女は歌劇に生きているので)を見つめ直して、各々を再生産していく。

どういう作品だったか・感想

めっっちゃくちゃ面白かった(小並感)。

映像や曲のクオリティももちろんながら、巧みな暗喩が非常に豊富。

トマト、ミロのヴィーナス、紙飛行機、東京タワー、タクシー代…

挙げ出したらキリがないがモチーフやセリフ、演出など随所に暗喩がねじ込まれていて「これってこういう意味なのかな…?」と推察できる作りになっている。

12話で9人のキャラを掘り下げながら充実した展開を作るのは非常に大変だと思うが、この巧みな隠喩や、2人ずつのペアで物語を進めたりなどの工夫で、凄まじく濃密な12話になっている。

 

再生産総集編と劇場版も見たが、全体通してのテーマとして核は一言でいうと『Revue(Review)& Rebuild』とかになるのかなと解釈した。

考察記事も別途作ろうか(とはいえもう巷に出尽くしている感じもあるのでそれこそ今更か…)とも思っているので、ここでは多くは語らないが、「私たちはもう 舞台の上」にいて、最高の舞台(人生)にするために「日々進化」していく必要がある。

進化にも色々あると思うが、人生を大きく変える進化は『既存のものを見つめ直して再生産する』覚悟が必要で、それは舞台少女だけでなく普遍的な教えとしてし見る者に届くのではないだろうか。

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